新鮮な風が吹きぬけています

 

新鮮な風が吹きぬけています


 


昨日と今日、大宇陀中学校の生徒さん2名が職業体験学習として、宇陀ガーデンに来られています。


私達従業員は、中学2年生の子供達を見ていると、自分の子供や孫に思えて仕方ありません。



 
 昔は中学を卒業と同時に働く方もたくさんおられたので、こんなかわいらしい子供たちが社会に若くして出て行かれたのかと思うと、親として複雑な気持ちです。



 
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日目は、来年の早春に販売される予定のアルペンの穂木作りと只今出荷中のガーデンシクラメンの整理を行なっていただきました。


今まで当たり前のように育ててきたガーデンシクラメンですが、説明しながら、いかに物を作って販売するまでに人の思いや手間がかかっているかに気づくことが出来ました。


例えば、3号ポットのガーデンシクラメンの苗を製品にするまで、今年の2月の播種から始まり5月のポット上げ、そして、開花するまでの育苗作業。ようやく出荷作業が9月から年末にかけてスタートしたばかりです。それだけではありません。これが、販売店に届くまでの輸送の方々、市場に到着すれば市場の方が小売店に販売されます。小売店に渡ってもすぐ売れるわけではなく、値段つけに始まりレイアウト、商品説明など工夫の凝らした販売でようやく皆さんのお手元に届くわけです。


さかのぼってみれば、この種子はオランダからやってきています。先日、この種子を作っているメーカーの方が日本の気候でいかに生産されているかを、視察にオランダから来られました。


種子を購入するには、約1年かけて種子を育種家の方が採取します。春に採取できるのですが、私たちの播種時期が冬の2月ごろですので、販売まで期間約9ヶ月間は5度に保たれた冷蔵庫で保管されています。考えると、皆さんのお手元に届くまでにざっと3年という歳月が流れているわけです。もちろん、その歳月の中には、途中発芽しなかったり、何らかのトラブルで枯れてしまったり、良い製品として出荷できなかったりする苗が全体の20パーセントぐらいあります。


これを、人に照らし合わせたとき、私達もつい成人してしまうとなんだか一人で生きてきたような錯覚に陥りがちですが、花と同じく立派な製品になるまでの間、どれだけの人と関わってきたのかを考えると、自然に素直になれるような気がします。