仲間と共に咲かせる
仲間と共に咲かせる
前回の花時計の続きです。
花には、おしべとめしべがあり、おしべの先にできる花粉がめしべに付けば実になりタネが出来ます。しかし多くの植物は、自分の花粉を自分のめしべにつけて実やタネを作ることを望んでいません
なぜならそうしてタネを実を作っても、自分と同じ性質の子供が出来るだけだからです
もしある病気に弱いという性質があれば、子供が全部その病気に弱く、その病気が流行ると、一族郎党が全部してしまいます
植物が花粉をつくる目的は、同じ仲間のほかの株にたくさん花粉をつけることなのです
そうすれば自分の性質とその株の性質とが混じり合い、いろんな性質のタネが出来ます
いろんな性質のタネができれば、植物はいろんな環境で生きていけるのです
他の株に花が咲く仲間の花に花粉を付けるためには、花粉は移動させなければなりません
植物はその移動を風や虫に託します。「子孫を残すという大切な行為を、どこに飛んでいくか分からない風や虫に託して大丈夫なのか?」と心配になります。その不安をなくすために植物は、花粉を多く作ることや、虫をうまく呼び寄せることに工夫を凝らします
でももっと大切なのは、仲間が同じ時期に一緒に花を咲かせることです。仲間の花が咲いていなければ、花粉をつけることが出来ないからです
そのため、花が咲く季節は植物の種類ごとに決まっています。ナノハナやタンポポは春にアサガオにひまわりは夏に、菊やコスモスに花を咲かせるのです