世界を魅了した「和の花」・・・百合
世界に100種類近くあるといわれている百合の原種。花屋さんで必ずといっていいほど切花として販売されています。
私が小さかった頃はカサブランカという純白の大輪の花が1本3000円程で販売されており、花束に高級なイメージがあったような気がします。
いまでは、たくさんの品種が改良されており、現在の園芸品種は1000種ともいわれています。
あまりにもカサブランカなどのインパクトが強いためか、世界の百合の系譜を塗り替えたのは、シーボルトが持ち帰った日本の百合であることを皆さんはご存知でしたでしょうか?
中でも、彼が魅了されたのはテッポウユリやスカシユリ、カノコユリなどの、日本の品種だったそうです。
当時、ヨーロッパなどに自生する百合には鑑賞価値の高い美しいものが少なかったそうですです。
”灯台下暗し”ではないですが、日本をはじめとする東洋では、植物の観賞用ではなく、薬用や食用としての実用性が優先されていたため、あまりにも身近過ぎて百合の美しさに気づかなかったのかもしれません
その後、日本において百合の高貴さ、可憐さが見直されるようになるまで、時代は下り、戦後カサブランカの登場を待つことになるのです
1840年ヨーロッパに紹介されたテッポウユリは世界の人気をさらい、キリストゆかりのマドンナリリーにかわって聖なる花として使われるようになりました
今、ヨーロッパにおいて人気を集める多くの百合の元になっている日本の百合、実は「和の花」の代名詞として世界に誇るべき花なのです