大塚国際美術館 NO2 希望の花 「アネモネ」
スペインの画家であるあの有名なピカソの作品「ゲルニカ」について紹介したいと思います。
ゲルニカとは、1937年スペイン内戦中に空爆を受けた町ゲルニカを主題に描いた絵画で、当時、ナチスによる都市無差別空爆にあった街だったそうです。
滞在中のパリでこの知らせを聞いたピカソはパリ万博のスペイン館の壁画の飾るべく、わずか1ヶ月弱で描きあげたそうです。縦3.5m、横7.8mの大作で油彩よりも乾きが早い工業用ペンキで描かれています。
この絵の見所は、戦争の絵であるのにも関わらず、兵器などの具体的な絵は描かれておらず、白と黒のモノトーンで表現してあります。線は鋭く、力強く描かれているのですが、この絵の中心より下の方に花のモチーフがかかれています。
そこだけは柔らかく、細い湾曲した線で表現されています。これは、アネモネの花を表現されているそうです。
アネモネの花言葉は希望。戦渦で焼けた街に芽生える花が、やがて地面を覆っていくであろう植物の生命力に、希望をたくしたのではないでしょうか。今回の、震災は自然災害とは言え、この絵に託された表情とだぶらさずにはいられませんでした。