枯れたと思って捨てないで。マイナス15度に耐えるアスターの寄せ植え術
週末のぐずついた天気から一転、今日は澄み渡る青空のもと、農協女性部様の寄せ植え教室を開催することができました。
このグループの皆様と教室を重ねて、もう20年ほどになるでしょうか。時代は流れても、こうして自然の花々と向き合う時間は変わらず、心を和ませ、ゆったりとした気分を運んでくれます。
造花にはない、生花だけの魅力
どんなに精巧な造花やドライフラワー、プリザーブドフラワーであっても、生花が持つ時とともに変わりゆく色の変化、季節に応じた表情の移ろいには、かないません。
その変化こそが、見る人の心を捉えるのです。
過ぎゆく秋を惜しむように
今日のテーマは「ほんの少し秋を愛でる」。
過ぎ去っていく秋を名残惜しむかのように、アスターを寄せ植えに加えました。
もう季節が終わろうとしていますが、このアスターはマイナス15度まで耐える丈夫な花。一旦上部が枯れても、春になればまた新しい葉が芽吹き、元気な花を咲かせてくれます。
田舎では切り花として活用されることの多いアスターですが、庭に植えておくと、翌年には一回りも二回りも大きく育ち、見事な花を咲かせてくれます。
「どうか寒くなって枯れたと思って捨てないでくださいね」と、皆さんにお伝えしました。
デイジーは、「バンバン」という少し大輪系の品種を選びました。
ほんの少し大きさが変わるだけで、印象がぐっと華やかになるから不思議です。


心ときめく、かわいらしい演出
今日使った鉢は、白いティーカップのような優雅なバラの絵が描かれた、レジン製の軽い鉢。
最近ではこういった軽量タイプが使いやすく、見た目にも高級感があって重宝します。
全体をピンク色のグラデーションでまとめた花々が、この鉢と見事にマッチして、皆さんの表情もふわりと和んでいくようでした。
山間部ならではの工夫と遊び心
私たちが住む奈良県宇陀市は山間部。今日の気温は最低7度、最高17度。
ハウスの中では暖かく過ごせましたが、日増しに寒さが厳しくなっていきます。
そのため、寄せ植えにはできるだけ寒さに強い植物を選ぶよう心がけています。
けれど、その中にも遊び心を忘れたくはありません。
今日、皆さんに提案させていただいたのは、秋から冬、クリスマスやお正月まで長く楽しめるアレンジ方法です。
南天、柊、ススキ、松、椿――。
ご自宅の庭にあるこうした枝物を、ほんの少し切って寄せ植えの後ろに挿していただくだけで、季節感と立体感が一気に増すのです。
それぞれのお家にある素材を使って、さらに自由にアレンジを楽しんでいただけたら嬉しく思います。
いつもご参加いただき、本当にありがとうございます。
皆様とまた、花を囲む時間を共にできることを楽しみにしております。


